民主主義と、授業評価 [2012年 1月-3月]
新年あけましておめでとうございます!
スウェーデンに引っ越して4ヶ月ちょっとたちました。9月〜年末まではまさに波乱の連続で、住んでいたアパートに住めなくなったり、仕事の契約のことで学校側ともめたりと「もう日本に帰ろうかしら・・」と何度も思ったほどでした。それでもやれるだけやってみようと黙々と過ごしていたら、ちょっとずつ道も開けてきて素敵な新年を迎えることができました。(引き止めてくださったみなさん、ありがとう!)
昨年はあまりにもたくさんの問題に直面したおかげで、「どんなに計画をたてても周りの都合でそれが叶わないことがある」→「それなら計画はほどほどにして、今を楽しんだほうがいいや」と性格(思考のくせ)の改善がなされたほどです。どんな問題も「その中」にいるときは苦しいけれど、乗り越えてみると成長するものですね。そして乗り越える上で、周りの方の支えがどんなに助けになるかを心から実感できた2011年でした。応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました・・これからも謙虚にがんばりたいと思います!
日本語を教えているこちらの高校も、クリスマスの前に秋学期を終えました。新米教師としての初めての1学期は、反省と学びの連続でした。授業計画を教師のほうでかなり自由に立てられるため、いちから作り上げる楽しさもありましたが、教材研究から練習問題の作成まですべて一人でこなさなければいけなかったため、「どうしたらうまく説明できるかな」「この目標を達成するためにはどういう問題をつくったらいいかな」といつも頭を悩ませていました。(よく日本語の問題を作っている夢をみました・・)
でもどんな時も心に留めていたのは、日本で日本語教育について学ばせていただいた師匠、K先生の「ありはまさん自身が授業を楽しむこと。先生が授業を楽しめば、生徒もついてきてくれます」という言葉。この4ヶ月 失敗したこと、落ち込んだことももたくさんありましたが、どんなときも私自身が「日本語の授業に行きたい!」と思えるような授業をすることは常に心がけていました。優しく熱心な生徒たちは、そんな新米先生に根気づよくついてきてくれました:D みんなありがとう、来学期もがんばろうね。
ところで私の勤めている学校では、学期の終わりに生徒たち自身が教師に評価をつけるシステムがあります。評価項目は例えば
・教師は教えている科目(私の場合、日本語)に対する知識を有し、その教え方はわかりやすいか。
・質問があるときや理解できないとき、きちんと時間をとって説明をしてくれるか
・生徒自身が授業計画に参与できる余地があるか
・成績評価についての基準が明確に示され、自分がどの位置にいるかを示してくれるか
といった質問に、5段階で答えるというものです。結果は集計後 校長先生に提出され、校長先生はその結果をもって各教師と面談を行い、授業の提供の仕方について話し合います。先進的ですね。こうした評価制度は私が通っていた大学でもありましたが、集計結果は各教員が「各自参照する」程度に留まるそうです。どれだけの教職員が「各自参照している」かは謎・・・。もちろん大学総長が一人一人の教員と面談するわけにはいかないと思いますが、教育は上→下、つまり教員→学生に教えるだけではなく 教員⇄学生の相互関係、つまり教員が学生側の意見に耳を傾けることもとても大事だと思います。日本の場合そのことに気がついていない先生が多いので、自分の好きなように授業を展開しがちですが・・・
そういう私も、「生徒自身が授業計画に参与できる余地があるか」という項目の評価が、ほかの項目より低かったです。授業計画をいちから生徒とともに作ることは困難ですが、生徒たちが「この授業を通してどのような能力を身につけたいか」、つまりこの授業のベクトルがどこに向かっていて、1年を通してどのようなことが「できる」ようになるのかを教師側が把握し、授業に取り入れることはとても大切だと思います。これも日本の学校じゃ馴染みのないことですが、民主主義に対する人々に意識が高いスウェーデンにいると、いつのまにか当然のこととして受け止められるようになってきた気がします。
今年はじめのブログも固い文章から始まってしまいましたが:) 、2012年もどうぞよろしくお願いします!
2012-01-04 02:19
nice!(0)
コメント(2)
トラックバック(0)
日本の教師は世界1尊敬されていないらしいよ!
だからもし日本で生徒が先生を評価できる制度を採用しちゃったらすごいことになるかも…
高校の先生が校長先生に評価されるのが気に入らないといっていたよ
確かに校長が普段の先生の授業全部見てるわけじゃないしなぁ
日本の先生もがんばってるからもっと評価されてもいいのになぁー!
みさきが日本語教師してるって初めて知ったw
スウェーデンいいなぁ♪
みさきにとって充実した2012年でありますように☆
by えつさん (2012-01-04 07:55)
*えっちゃん
尊敬されていないんだ!その割には生徒に威厳を見せようと必死になってる気がする・・(笑)
スウェーデンでは教師と生徒の距離が近くて、上下関係というよりは対等な関係な印象を受けるよ!私も日本の高校に通っていたとき、生徒の中で一番人気のあった先生はフレンドリーで何でも話ができる先生だったな。
日本でも学校での教師と生徒、会社での上司と部下の上下の壁を低くしてもっと本音で意見交換ができたらいいのにと思うのだけれど・・。
日本の場合子どものころから「自分の意見を伝える」&「他人の意見を聞くこと」に慣れていない人が多いから、何か意見を言われると個人を批判されているような気持ちになるのかもしれない:( それで上の立場にたつ人(教師や上司)は意見を言ってくる部下に対して、素直に耳を傾けられず「あいつは生意気だ」と思ってしまうのかも?
日本の学校でデイベートを取り入れているところもあるけれど、「相手の意見を尊重する」という基本的な部分が教えられていないような気がするな・・
日本語は日本で検定試験を受けて、昨年の秋からこっちで教えてるよ♪
えっちゃんも、たしか日本語教えてたよね!
今年はベビー誕生で変化の多い年になりそうだね♪えっちゃんにとっても素敵な1年になりますように☆
by Misaki (2012-01-06 02:18)